防災食と平塚の食材で親子クッキング

コラム

〜防災に必要なローリングストックを学ぼう〜

2024年2月23日(金)崇善公民館にて、地域振興と防災を組み合わせたイベントである「大学生プレゼンツ 防災食と平塚の食材で親子クッキング〜防災に必要なローリングストックを学ぼう〜」を実施した。

2023年10月にひらつか着地型観光推進委員会主催で行われた「ひらつかコンテスト」にて、防災×地域振興をテーマとした実施計画をプレゼンし、2月に実施できる権利をいただいた。今回運営メンバーとしても参加をしていた大学生3名は、同じ高校出身で大学では「ひらつかタウンミーティング」でファシリテーターとして活動をしている。これは、平塚に在住在学する中学生が委員会ごとに分かれ、平塚市の課題を知り、解決策を考え、最終的に市長へ政策提言をするというものである。2022年、2023年度のグループのテーマは、地域振興と防災が含まれており、中学生の政策提言にも登場していた「平塚市の特産物の知名度の低さと防災に対する意識の低さ、保存食の重要性」を広く発信し、提言を実現するために、防災×地域振興をテーマにしたイベントを実施しようと考えた。

「ひらつかコンテスト」にてプレゼンをするために、8月末から大学生3名でのミーティングが始まった。10月にプレゼンを行い、11月から本格的な具体的なイベント内容を考え始めた。ひらつか着地型観光推進委員の皆さまのお力をお借りしながら、材料を調達したり、会場を確定させたり、事前準備を行った。2月には、「ひらつかタウンミーティング」で一緒に活動をした大学生2名と中学生3名が新たに運営メンバーとして参加をしてもらい、リハーサルを行った。当日の流れや中学生が行うクイズの練習を念入りに行った。

〈当日〉

参加者:小学生12名、保護者9名

運営:代表1名、大学生5名、中学生3名

 当日は、運営メンバーの学生と参加者が全員参加をした。椅子の配置やゴミ袋の設置、食器などの準備などでバタバタしていたが、全員が協力して臨機応変に対応しており、スムーズな進行となった。

 第1部として「知る時間」を、第2部として「創る時間」を行った。第1部の「知る時間」では、平塚市で起こる災害や防災の大切さ、そして今回最も重要なローリングストックについて大学生3名が発表をし、学ぶ機会を設けた。小学生は真剣に話を聞いており、途中で行った、お家での防災について書き出す時間では親子で積極的にワークシートを進めていた。第2部の「創る時間」では、実際に保存食であるサバ缶を使ったカレーと湘南いちごとカンパンを使った簡単パフェを作った。各班に、運営メンバーがついており、さらにレシピを全員に配って共有していたこともあり、予定より30分ほど早く料理が出来上がり、全員でいただきますをし、楽しく食べることができた。  振り返りの時間では、今日学んだことの振り返りとして中学生が○×クイズを出題し、小学生も楽しそうにクイズに参加をしてくれた。最後には全問正解した全員にプレゼントとしてお菓子を渡した。クイズを終え、班ごとに感想を話してもらい、イベントは終了した。

知る時間
料理の完成
運営メンバー

〈参加者と運営の感想〉

○参加者

・楽しかったです。今後もいろいろなイベントに参加したいです

・子供にとって良い経験になりました

・親子で体験できるイベントをこれからもよろしくお願いします

・このプログラムに参加することができて、良かったです

・防災のことを学べ、親子でクッキングできて楽しかったです。親子で参加できるプログラムに興味があります

・親子共に楽しめました

○運営

・小学校低学年の子が多いのに時間より早くスムーズに進められて良かったし楽しそうで良かったと思います!またこういうイベントを手伝いたいです!

・メニューの共有が事前にあるとスムーズに進んだかも

・学校やタウンミーティングだけでない世代と交流できた

・親御さんの目が優しかった

・年明けに能登半島地震が起き、世間の防災意識が高まっている中で開催できた事も良かったと思います。また、生産者の二宮さんに出来上がったいちごパフェをお見せしたところ喜んでいらっしゃいました

・いろんな方と触れ合う事ができてとても良い機会になった!

・あんま話さない子もここでは積極的に話してくれてその子からしても僕達からしても楽しく良い経験になったかな?と思います

・この活動の意義の実感、実際に活動できた喜び、繋がりへの感謝

始めに知識拡充のための説明があったため、ただの遊びや意味のない時間になることなく有意味な活動できたのではないかと思います。そして、メインテーマはあくまで活動に直接的に繋がることだとは思いますが、サブテーマとして防災・地域振興で考えてきたことが形になり、実践的な活動が見られたことと、それに参加させてもらえたことはとても嬉しいです。中学生がただ提言して終わるのではなく、具体的に一歩進んでいるなと実感できたのが良かったのではと思っています。もちろん、大学生の立場からも、考えてきたことがこうなるんだと勉強になりましたし、本当に嬉しかったです。

・缶のゴミの処理について(課題)

缶ゴミ(は触ると危険なので)のゴミ袋とかありますか?と保護者の方に気づいていただき、各班の机から回収しました。高学年はおそらく問題ないですが、低学年に合わせて対応を予め想定できれば良かったのかなと思います。その他は、ゴミ袋の設置やお皿の準備、ご飯の配り方など、たくさん臨機応変に対応していたと思ったので、本当に素晴らしいと思いました。しごできすぎると思う場面がとても多く、それに頼りすぎるのは良くないのかもと思うべきな部分はありますが、準備段階で気づくのは難しく限界があるので、これで良かったのだと思います。

持ち物にあって良かったかもと思うのは、マスキングテープでした。

・参加できたことも実現できたことも本当に良かったです。短い期間でしたが、本当にありがとうございました。

〈総括〉

 「ひらつかコンテスト」から数えると準備から本番まで半年間経っていた。この間に、ひらつか着地型観光推進委員会の田中さんや大貫さん、関係機関の沢山の方にご協力をいただき、無事に本番を迎えることができた。当日は、参加者である小学生がとても楽しそうに参加している姿を見ることができた。また、今回の大きな目標であるひらつかタウンミーティングの政策提言を、自分たちの力で実現することが叶ったと実感した。いつどこで起こるかわからない災害を自分ごととして捉え、防災を考えることができ、そして平塚の特産物などを知り、平塚で地産地消を実現することの二つの軸がブレずに、参加者に伝えることができたと思っている。

文責:明治学院大学法学部政治学科4年 本城凜